はじめから読む

前の話を読む

くも膜下出血の発症、私は救急車で運ばれた。
財布や保険証を、持参することができなかった。私が準備できたのは、私自身、その時に着ている洋服、そして眼鏡のみ。着のみ着のまま。 

お金がない中、どうやって生きていく? 

そして、次の条件下。 
くも膜下出血で、身体が弱りきっている。 独身。家族は遠方にいる。 

これらの条件を考慮すると、入院中、困っただろうと思われるかもしれない。私が当事者でなければ、きっとそう思う。

でも、実際は違った。


20231007
病院のシステムにより、入院時に必要なものは、病院が準備をした商品をレンタル、もしくは購入。後払い。 

私物で欲しいものは、スマホからネット通販。
シェアハウスのオーナーさん、友人に連絡し、到着した商品を病院に持ってきてもらう。

時差こそあれ、欲しいものは全て入手することができた。 
あの時、私の手元には1円のお金もなかった。 私には、私しかなかった。だけど、私の周囲には人がいた。私がひとりで立つことが出来なくても、周囲の人が私を支えてくれる。

緊急時にこそお金が必要だと思っていたけれど、お金ではなかった。システムと人だった。そして、システムを作り上げたのは、人。

人生とは、人なのでは? 

そう思い始める、最初のきっかけ。

■後日談

ありがたいです。 

目を伏せ、噛み締めるように、思います。本当にありがたいです。目頭が熱くなります。 …とはいえ、お金も必要です!支払いは、私がするので!笑。お金は、大概、最後にあります。

つづく



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