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「くも膜下出血のラブレターを、誰に届けたいですか?」


そう問われると、いつも思い出すのは自分の後ろ姿。
私は、ICUのベッドでスマホを両手で持ち「くも膜下出血」を検索していた。その自分の後ろ姿を、思い出す。

20240508


2020年夏。
コロナ禍の中、私はくも膜下出血を発症した。激しい頭痛。その後、私はすぐに救急車に連絡をし、病院の治療を受けることができた。ICU入院生活は、2週間と少し。

その入院生活の中、私は毎日のようにスマホ検索をしていた。
ほぼ常時頭痛があったので、1回の検索時間は約10分。疲れたら休憩し、また検索。
検索するキーワードは、その時々によってさまざま。だけど、ほぼ毎回あるキーワードは、決まっていた。

"くも膜下出血"
"くも膜下出血 死亡率"
"くも膜下出血 その後”

検索結果の上位には、病院、専門医の記事があがる。
A病院、B病院のくも膜下出血にまつわる記事を、読んだ。病院名の違いはあれど、ほぼ似たような記事だ。昨日も読んだ記事を、今日も読み返す。同じ記事だ。似たような記事、同じ記事を、私は繰り返し読んでいた。

私は知りたかった。
今後の自分が、どうなるのか知りたかった。過去、私と似たような境遇になった人がいないか、探していた。その人が、くも膜下出血をどう克服したのか、知りたかった。しかし、あるキーワードになると、スマホはぴたりと口を閉ざす。

”くも膜下出血 退院後”

当時者の記事がなかった。
正確に言うと、病院発信の記事はある。当時者の入院や治療の様子の記事はある。だけど、退院後の彼らの日常はほとんどなかった。

退院後、以前と同じ生活に戻ることはできたんだろうか?
退院後、困ったことはなかったんだろうか?
退院後、仕事に復帰できたんだろうか?

「くも膜下出血のラブレター」では、当時の私が知りたかった話を描いている。くも膜下出血になったが、病院の治療により回復。しかし、再手術をすることになり、一時的に退院した人間の喜びや苦しみ。今までの日常が、非日常になった話。

美容院のシャンプーで、怯え、混乱したこと。そんな自分に驚いたこと。
低山とはいえ、山に登ったこと。パニックになったこと。
周囲の人たちに、想像以上に支えられていること。
家族のこと。

私の失敗も愚かさも描いた。
描くことは怖かったけれど、描いた。当時の私が知りたかったのは、当時者のリアルな日常だったから。2020年夏、当時の私には届けることができなかった。だけど、それ以降に似たような症状で入院している人たちには、届けることが出来ると思っている。

退院後、不安になったり、怯えたり、喜んだり、笑ったり。
そんな日々を過ごしながら、生きている。

140くも膜下出血のラブレター
145くも膜下出血のラブレター


つづく

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